
今まで、どのようなスタイルで公演を行ってきたのか――。その内容について、ご紹介します。
まず舞台中央にスクリーンを配置して、スライド上映。スクリーンの左右には、スタンドマイクを3本ずつ立てて、合計6本ほど左右に並べます。
そのマイクの前に役者が立ち、台本を持って朗読を行うというスタイルです。
以下(↓)が、そのサンプルです。
【ステージの全体図】(2005年夏公演「幼い悪魔」より)

役者の配置は、右と左でグループ分けをして「対立関係」にある構図にします。
お客さんにとって、わかりやすく見やすいステージになります。
スライドは場面ごとに切り替わり、セリフの合間には効果音(ドアを開ける音など)をインサートして臨場感を出します。
役者は「顔の表情」と、軽い身振り手振りなどを加えて、少しだけ「動きのある芝居」を心がけます。
なぜなら……
朗読劇って、基本的に退屈だからです(苦笑)。
この弱点を充分に理解したうえで、お客さんに「また来てもらえる」朗読劇を開発しなければなりません。
人間は、動きのないものをじっと見ているのは耐えられない生き物です。
スライドなどの「静止画」を見続けるのは、3秒が限界とまで言われています。
そのために、観客の「想像力」を刺激するのが、朗読の基本と言われています。
スライドや音、さらに照明の助けもなくて、役者自身の力だけで成立させるのが、朗読劇の本来の姿なのでしょう。
しかし、あえて言います。
そんなの、超ベテランの役者以外は無理!
――理想ばっかり言っていないで、現実をしかと見よ。
我々はヒヨッコなのだ。
そんな超ベテラン級の俳優に、出演交渉などはできないのだ。
もちろん出てくれたら、嬉しいですが。
一度はそういうスケールの舞台をやってみたいですが。
だが、夢は夢。現実は現実……。
勉強中の私たちが足りないものを、ほかの技術で補うのは、入場料をいただいているお客さんを少しでも楽しませようとする、努力の姿勢なんだと、もはや言い訳するしかほかにないということでしょう。
話を元に戻しまして。朗読劇は役者の力量と共に、台本の力も重要な要素となっています。
朗読劇は、基本的にひとりの登場人物が語り、その心理描写によって、作品世界にグイグイ引っぱり込んでいくのが、有効的なパターンだと思えます。
そのため一人称の小説に近いスタイルが、最も適している台本のスタイルになります。
時間もあまり長くなく、短編集のような形式が、お客さんからすればあまり疲れずに済む公演となるでしょう。
しかし、このボイスウィザードが目指した方向は、それらとはまるで逆の方向でした。
作品時間は長く、登場人物は多く、しかもキャラクター物で、ドラマCDのようなスタイル――このハードルは高く、2005年には四回の公演を打ちましたが、まだまだ改良の余地はあると、いつも考えさせられています。
新しいものを生み出すときは、結果がなかなか予想できません。予想できたとしても、仕上がったものはイメージと違っていたことが多々あります。
結局のところ、試行錯誤を繰り返すしかないのでしょう。
朗読劇という基本的な枠を離れ、キャラクター芝居でありながら、朗読劇と同じような効果をもたらすもの。
描き出すキャラクターを、どうやってお客さんの頭の中で動かしてもらうか。
その想像力に訴える、最も効果的な方法論とは何か。
ボイスウィザードは、キャラクターボイスドラマ――という未知なる空間をさまよい、挑戦し続けているのです。

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ボイスウィザードの上演形式について