真っ暗な小劇場の空間に映し出される、一枚の静止画。
 声優によって、その静止画に重ねられる語り……。
 2005年3月下旬、自分たちの追い求める創作の幕が上がった。
 追い求める創作とは何だったのだろうか。
 人が何かを始めるとき、先にどんな景色が見えているから始めるものなのだろうか。
 果たして先のほうで見えているものなどあったのだろうか。
 それを知りたいがために、少し記憶を遡ってみることにした。


■朗読劇が生み出す異質な空間

 第一回公演「まほろばの島」の原点は、衛星放送で見た朗読の番組がきっかけだった。若手の女優さんが古い家の縁側などに座って、エロい内容の文学を淡々とした口調で、ひたすら読み上げていく。ただそれだけのマイナーな番組だった。
 当然、衛星放送だから予算もかけられていない。映し出される映像も、若手の女優が読んでいる姿とイメージの風景をフェードインやオーバーラップなどでつないだ、ごく単調な作り。それが見ていて、寂しさを誘う。低予算だから寂しいのか、それとも読み上げている内容がせつないからなのか。あるいは映し出されている映像に、若手の女優しか出てこないから寂然とした雰囲気を持ってしまうのか……正確な理由は自分にもよくわからなかった。
 だけど、若手の女優さんが読み上げるエロい内容の小説は、あえて力まず、淡々と読み上げているからこそ、どこか引き込まれるものがあった。地味で、お金もかかってなさそうなのに、マイナーな番組独特の味わいがあって、面白いムードだなといつも仕事の合間に眺めていた。いや、仕事を忘れてハマりそうだから、忙しいときはあえて見ないようにしていた。そのくらい印象度は強かった。

 だったら、このテイストを舞台でやったらどうだろう?
 ふと、そんなことを考えた瞬間があった。1998年に、第一回プロデュース公演を明石スタジオで経験していた自分は、再び舞台をプロデュースするチャンスをうかがっていた。やりたいという思いは年々高まっていたが、何をやるかは具体的になっていなかった。ゆえに、この印象度の強さは何なのか? 何に惹かれていたのか? ぜひそれを確かめたくなったのである。
 ようやく何をやるかの「何か」が、自分の中で固まってきた。こうして衛星放送の朗読番組をきっかけにして、企画の骨子はスタートした。
















































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